テーマパークの特定エリア混雑を解消!LINE で発行するデジタル整理券と待ち時間予測システム

10 min read執筆: ミニアプリラボ編集部
テーマパークの特定エリア混雑を解消!LINE で発行するデジタル整理券と待ち時間予測システム

テーマパークや大型アミューズメント施設において、人気アトラクション周辺で発生する長時間の「待ち列」は、運営責任者やマーケティング担当者にとって長年の悩みの種ではないでしょうか。長蛇の列は通路を塞ぎ、お客様の疲労感やクレームを引き起こすだけでなく、列整理にあたるスタッフの業務負担を増大させます。何より、長時間並び続けることで、お客様が本来なら飲食やグッズ購入に充てていたはずの時間が奪われてしまうという、見えざる機会損失が現場で起きています。

Diagram showing the current issues with long physical lines at theme parks versus the digital ticketing system using LINE.

現場で何が起きているか

人気アトラクションの周辺では、ピーク時に60分から120分を超える待ち時間が発生することも珍しくありません。このような状況下で現場に生じている課題は、大きく3つに分けられます。

1つ目は、お客様の満足度低下です。長時間の立ちっぱなしは疲労を招き、「待ち時間が長すぎる」といったクレームに繋がりやすくなります。特にお子様連れのご家族にとって、行列に並び続けること自体が大きなストレスとなります。

2つ目は、スタッフの業務負荷です。最後尾の案内や横入りの監視、「あとどれくらいで乗れますか?」という質問への対応など、接客以外の列整理業務に多大な人員と時間が割かれています。

3つ目は、施設全体の収益に関わる「回遊時間の喪失」です。例えば90分間行列に並んでいる間、お客様はお金を消費しません。この時間を自由に過ごすことができれば、近くのカフェで休憩したりお土産を選んだりと、顧客単価を上げるチャンスを生み出せたはずです。行列に縛り付けられる時間は、施設にとって手痛い損失と言えます。

LINEミニアプリでどう解決するか

この物理的な行列の問題を解消するアプローチとして有効なのが、LIFF(LINE内で動くアプリ)を活用し、お客様のスマートフォンから整理券を取得していただく仕組みです。

業務フローは非常にシンプルです。お客様は、アトラクション入り口付近のQRコードを読み取るか、施設が運用するLINE公式アカウントのメニューから専用画面を立ち上げます。そこで人数などを入力するだけで、デジタル上で整理券を発行できます。

整理券の取得後は、スマートフォン上で「現在何組待ちか」「およその待ち時間は何分か」という待ち時間予測をリアルタイムで確認可能です。そして順番が近づくと、LINEを通じて自動で呼び出し通知のメッセージが届きます。

この整理券発行・呼び出し通知・待ち時間予測という一連の機能により、お客様は入り口で立ち尽くす必要がなくなります。順番が来るまでの間、レストランで食事を楽しんだり、グッズショップで買い物をしたりと、時間を有効活用していただけます。施設側にとっても、専用アプリを新しくダウンロードしてもらうハードルがなく、日常的に利用されるアプリ内で完結するため、利用率が高まりやすいという利点があります。

Flowchart illustrating the process of issuing a digital ticket, checking estimated wait times, and receiving notifications via LINE app.

導入後に見込める変化(KPI)

デジタル整理券の仕組みを導入することで、定性・定量の両面で以下のような変化が期待できます。

定性的な面では、お客様のストレスが大幅に軽減されることが挙げられます。行列による疲労感やイライラが解消されることで、「また遊びに来たい」というリピート意向の向上が見込めます。また現場スタッフは列整理や待ち時間案内の業務から解放され、安全確認や笑顔での接客など、本来のサービス向上に時間を充てることが可能になります。

定量的な面(KPI)では、パーク内での顧客単価の向上が想定されます。待ち時間が自由時間に変わることで、1組あたりの飲食施設や物販店舗への立ち寄り回数が増加する傾向にあります。事例の目安として、周辺エリアの飲食売上が導入前と比較して増加したというケースも報告されています。

さらに副次的な効果として、LINE公式アカウントの「友だち数」の自然な獲得が見込めます。整理券を取得するフローの中で自然と友だち追加が行われるため、キャンペーンなどに頼らなくても連絡先基盤が拡大します。退園後にも季節のイベント案内などを配信することで、再来園(リピート率)の向上に繋がる施策を展開しやすくなります。

導入時に押さえる運用ポイント

システムを現場へスムーズに定着させるためには、いくつか押さえておきたい運用の勘所があります。

1つ目は、「デジタルとアナログの併用体制」です。スマートフォンをお持ちでない方やバッテリーが切れてしまった方などに配慮し、必要に応じてスタッフが操作する専用端末から紙の整理券を発行できるような、バックアップの運用フローを用意しておくことが重要です。

2つ目は、「呼び出し通知のタイミング設定」です。パーク内は広いため、お客様が遠くにいる場合、呼び出し通知を受けてから到着するまでに時間がかかることがあります。「5組前になったら通知する」「目安時間の15分前に通知する」など、移動時間を考慮した余裕のある通知設定を行うことが、スムーズな案内へと繋がります。

3つ目は、「現場での案内と導線設計」です。システムを入れても、お客様に気付かれなければ効果を発揮しません。アトラクション周辺の目立つ位置にQRコードを印字した看板を設置するだけでなく、混雑時にはスタッフが「LINEから整理券を発行して、他でお待ちいただけます」と積極的に声がけを行うなど、お客様をデジタルへ誘導するオペレーションが成功の鍵となります。

まとめ

長時間の待ち列による顧客満足度の低下と機会損失は、デジタル整理券と待ち時間予測の仕組みを導入することで、パーク内の回遊と消費のチャンスへと転換できる可能性があります。 まずは特定の一つのアトラクションやエリアから、スモールスタートで実証実験を行ってみることをおすすめします。 現状の行列によってどれほどの回遊時間が失われているかを可視化し、システム導入による効果をシミュレーションしてみてはいかがでしょうか。

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