複数ブランド展開の飲食店必見!LINEを活用した共通マイレージでグループ全体の回遊とLTVを最大化する

和牛専門店、寿司店、焼肉店など、複数の業態やブランドを展開する飲食企業の現場では、店舗ごとに顧客情報が分断されているという悩みがよく聞かれます。「一見客ばかりでリピートに繋がらない」「会員制度を導入しているものの、紙の台帳やスタンプカードの管理で終わっている」といった課題を抱える店長やエリアマネージャーは少なくありません。せっかく魅力的なブランドを複数持っているのに、グループ内での相互送客ができず、機会損失を生んでしまっているのが実情です。

現場で何が起きているか
複数のブランドを展開しているにもかかわらず、顧客管理がアナログな状態にとどまっている場合、現場ではさまざまな弊害が生じています。
第一に、顧客の囲い込みが店舗単体で閉じてしまっている点です。たとえば、和牛専門店を気に入ってくれたお客様が、同じグループが運営する寿司店や焼肉店の存在を知らないまま、競合他社に流出してしまうケースが多発しています。
また、紙のスタンプカードや台帳を用いた運用は、スタッフにとって大きな業務負荷です。ピークタイムにカードを探す手間や、手書きでの顧客情報管理はオペレーションの妨げになります。お客様側にとっても「財布が膨らむからカードは要らない」「次に来たときには紛失してしまっている」という不満があり、結果としてカードの有効活用率が低迷し、再来店の動機付けに失敗していることが想定されます。
LINEミニアプリでどう解決するか
こうした課題を解決する手段として注目されているのが、LIFF(LINE内で動くアプリ)の技術を活用した、グループ共通のデジタル会員証およびマイレージ制度の導入です。お客様は新しく専用アプリをダウンロードする手間がなく、日常的に利用しているメッセージアプリから数タップで会員登録を完了できます。
この仕組みを導入することで、ポイント付与・還元・期限管理を一元化することが可能になります。たとえば、和牛専門店でのお食事で貯まったポイントを、次回は系列の寿司店でのランチや、焼肉店でのディナーに利用できるといった具合です。
業務フローも非常にシンプルになります。お客様が卓上やレジ前のQRコードをスマートフォンで読み取ると、自動的に店舗のLINE公式アカウントに友だち追加され、同時に全店舗共通のデジタル会員証が表示されます。スタッフは会計時に画面上のバーコードを読み取る、もしくは専用画面をタップしてもらうだけでポイントの付与が完了するため、レジ業務の効率化にも直結します。

導入後に見込める変化(KPI)
共通のマイレージ制度を導入することで、グループ全体での顧客回遊が促進され、さまざまな指標の改善が見込めます。
まず期待できるのが、リピート率およびグループ全体のLTV(顧客生涯価値)の向上です。事例として、これまで1つの店舗しか利用していなかったお客様が、「貯まったポイントが使えるなら」と別業態の店舗へ足を運ぶようになり、年間の来店回数が増加するケースが想定されます。
さらに、デジタル化によるスタッフの業務削減効果も無視できません。紙のカード発行や台帳への転記作業がなくなり、目安として月間数十時間の工数削減に繋がる可能性があります。
定性的な変化としては、顧客データの可視化が挙げられます。「いつ・どの店舗を・どれくらいの頻度で利用しているか」というデータが蓄積されるため、来店履歴に基づいた精度の高いメッセージ配信が可能になり、結果として予約率の向上に寄与することが期待できます。
導入時に押さえる運用ポイント
システムを導入して成果を最大化するためには、現場の運用ルールと社内体制の整備が不可欠です。
一つ目のポイントは、現場スタッフへのオペレーションの落とし込みです。お客様にQRコードの読み取りを案内するタイミング(着席時や注文時、会計時など)を明確にし、スムーズに登録を促すためのトークスクリプトを用意しておくことが重要です。
二つ目は、LINE公式アカウントからのメッセージ配信頻度と内容の工夫です。全店舗共通のキャンペーン情報を一斉配信しすぎると、お客様にとってノイズとなりブロックされるリスクが高まります。和牛専門店の利用者には焼肉店の案内を送るなど、セグメント(顧客の属性や行動履歴)を分けた配信を心がけることが推奨されます。
最後に、店舗間の送客に対する社内評価の仕組みです。「他店舗へお客様を送客したこと」が自店舗の評価やインセンティブに還元される体制を整えることで、スタッフが積極的に共通マイレージを案内するようになります。
まとめ
複数ブランドを繋ぐ共通マイレージ制度は、お客様を飽きさせずにグループ全体で囲い込み、収益基盤を強固にするための有効な戦略です。 まずは自社のブランド間でどのような送客シナリオが描けるか、顧客の視点に立って動線を整理することから始めてみてください。 アナログな業務の負担を軽減し、多店舗展開の強みを最大限に活かす仕組みづくりに向けて、具体的なシステムの検討を進めてみてはいかがでしょうか。


